166号 2018年 秋

国立民族学博物館では2019(平成31)年2月21日から5月7日にかけて企画展「旅する音楽―南アジア、弦の響き」が開催される。展示の企画委員7名は、長年にわたり音楽の研究や演奏に携わり、現在も第一線で活動を続けている研究者ばかりである。
本特集では各委員がそれぞれ担当した展示セクションに読者を誘いざなうとともに、展示の内容をより深く楽しんでいただけるように、展示場では詳しく紹介することのできない側面に焦点を当ててみたい。
楽器は、美術工芸品としても第一級であることが多く、外形を観るだけでも十分楽しむことができるが、本来は音を出すための道具である。ゆえに特定の音に対する嗜好を実現するために、さまざまな、そして時に驚くほど創造的な工夫が施されてきた。本特集ではこのような音の嗜好が楽器の誕生や改変にどのように作用したかに注目し、演奏家や職人たちの楽器に対する視点を知る糸口となる知識を提供したい。

2018(平成30)年10月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団

『季刊民族学』は「国立民族学博物館友の会」の機関誌です。
「国立民族学博物館友の会」へご入会いただければ定期的にお届けいたします。

 

 

165号 2018年 夏

国立民族学博物館創設時のコレクションのひとつに、大阪万博での展示のために収集された大阪万博関連資料があります。梅棹忠夫、泉靖一の指揮のもと多くの若き人類学徒が世界各地で収集活動を行ったこのプロジェクトのきっかけをつくったのが岡本太郎です。岡本太郎は、太陽の塔をはじめとした多くの芸術作品で知られているが、若き日にパリで民族学を学んだ民族学者の一面をもっています。本特集では民族学者としての岡本太郎に焦点を当て、民族学および民族学博物館が21世紀にいかなる可能性をもっているのかを探ります。

2018(平成30)年7月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団

『季刊民族学』は「国立民族学博物館友の会」の機関誌です。
「国立民族学博物館友の会」へご入会いただければ定期的にお届けいたします。

 

 

164号 2018年 春

本特集のテーマは、ダライ・ラマに代表される「化身ラマ」たちの世界である。ただし、その舞台はチベットではなく、モンゴルである。

実はチベット仏教とモンゴル仏教は大きな重なりがある。まずチベット・モンゴル仏教に共通する大きな特徴として挙げられるのが、如来や菩薩、偉大な仏教修行者の「化身」すなわち、生まれ変わりとして崇拝される化身ラマ(転生活仏)の存在である。本特集では、こうした神秘のベールに包まれた化身ラマの舞台裏を垣間見ていきたい。

2018(平成30)年4月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団

※『季刊民族学』とウェブ上のアカデミックジャーナル『SYNODOS』とのコラボレーションが実現しました。本特集記事の3 編が誌面を飛び出して『SYNODOS』に登場します。ウェブ媒体と紙媒体のマリアージュをどうぞ。
5月11日、18日、25日にそれぞれ掲載されます。

『季刊民族学』は「国立民族学博物館友の会」の機関誌です。
「国立民族学博物館友の会」へご入会いただければ定期的にお届けいたします。

 

 

163号 2018年 新春

特集 ヒマラヤの吟遊詩人ガンダルバの現在


民博に奉職し、一九八二年にネパールで撮影された『ネパールの面作り』、『ネパールのタイコ作り』、『カトマンドゥのバザール』、『ガイネ―ヒマラヤの吟遊詩人』などのビデオテーク番組を見て以来、そこに映っている人びとは今どうしているのだろう、できればいつか番組を届けたいと思ってきた。二〇一三年、長年の思いがついに実現した。本特集はバトゥレチョールの再訪とガンダルバの最新の調査からの知見を藤井知昭先生との鼎談も交えて紹介するとともに、ガンダルバ研究の後継者たちの論考を通じて、ガンダルバの人びとの過去三〇年の変容と現在を多面的に明らかにしようというものである。

2018(平成30)年1月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団