170号 2019年 秋

特集 小泉八雲の怪異探究

国立民族学博物館で、8月末より開催中の特別展「驚異と怪異」にちなみ、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を取り上げます。『怪談』をはじめとする再話文学や紀行、エッセイなどで、日本の「怪異」の文化を世界に紹介した人物が小泉八雲です。八雲の日本理解の根底には、異文化に対する文化人類学的関心がありました。本特集では、小泉八雲の怪異探究・日本理解に、今日的な可能性を読みとりたいと思います。

2019(令和元)年10月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団

『季刊民族学』は「国立民族学博物館友の会」の機関誌です。
「国立民族学博物館友の会」へご入会いただければ定期的にお届けいたします。

169号 2019年 夏

特集 オセアニア考古学の挑戦――篠遠喜彦の足跡から

60余年にわたり古代ポリネシアにおける人類拡散の研究を続けた、篠遠喜彦博士。篠遠博士と縁深かった方々による、自身の歩みと篠遠博士の関係、そこから発展した研究をつづるエッセイ、あるいは評論を通して、ポリネシア考古学に大きな足跡を残したその業績を振り返ります。

2019(令和元)年7月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団

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168号 2019年 春

特集 暦をめくる、世界をめぐる

新元号「令和」がスタートする。
元号は年を数えたり記録するための紀年法のひとつだが、終わりのない無限の紀年システムである西暦に対し、ある年でリセットされるのが特徴だ。一方、紀年法とともに、無限に流れる時間を区切り、意味を与え、未来を予測したりするのが暦である。

本特集では、暦の文化に焦点を当て、暦やカレンダーに関連づけられている祝日や行事、吉凶の暦注、民族や民俗、ひいては政治や宗教、経済や社会といった側面に目を向ける。

日本では西暦とよばれるグレゴリオ暦(太陽暦)が世界にかなり普遍的に普及していてグローバル・スタンダードの観を呈しているが、それに対抗するイスラーム暦(太陰暦)も存在すれば、中国の農暦(太陰太陽暦)やインドのヒンドゥー暦(太陰太陽暦)も健在である。おなじイスラーム圏でありながら、イランのように春分を年初とする太陽暦が生活の基本となっている国もある。中国の回族は清真寺(イスラーム寺院)の発行するカレンダーに西暦、農暦、イスラーム暦の三種の暦を盛り込んでいる。このように二重、三重の暦をつかいわけて暮らすことはごく一般的である。

民博の展示場をまわると、じつに個性的な暦の数々を目にすることができる。暦を切り口に、世界の文化の多様性をめぐる旅に出かけよう。

2019(平成31)年4月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団

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167号 2019年 新春

特集 二つの顔をもつ山――世界遺産・富士山

有史以来頻繁に噴火し、江戸中期の宝永噴火を最後に現在は休止しているものの依然活火山である富士山は、二つの顔をもっている。
火の神と結びつく火山の顔と、水の神と結びつき火を鎮め人を清める水の源としての顔、これらはまた男性神と女性神に対応づけられ、近くから見れば荒々しい山肌や畏れを、
遠くから見ると憧れを抱かせる円錐形の美しい顔をもつ。
 富士山が世界遺産に登録された際の要件は、「信仰の対象」と「芸術の源泉」であるが、時代によってその一方が強調され、その後、もう一方へと交替してきた歴史がある。
 縁起物「一富士二鷹三茄子」や、フジという読みの当て字も、福慈、不二(二つとない)、不死、不尽などめでたいものである。また、江戸時代の絵のモティーフである富士と龍も「不時、すなわち時ならざる不幸を断つ」という語呂合わせとして、吉兆の印としても捉えられてきた。
 新年にあたり、おめでたい富士山の両義性を踏まえつつ、富士山のもつさまざまな顔に
ついて考えたい

2019(平成31)年1月25日発行 
発行所:一般財団法人 千里文化財団

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