第89回 モンゴル、遊牧の民に出会う―揺籃の地オルホン川上流域と草原都市ウランバートルを訪ねる

第89回 民族学研修の旅

モンゴル、遊牧の民に出会うー揺籃の地オルホン川上流域と草原都市ウランバートルを訪ねる

2017/08/07(月)~08/14(月)

遊牧の知恵を育んだ草原世界へ。遊牧民の精神性とその営みをさぐります。 日本の約4倍の面積をもち、その8割を草原が占める国、モンゴル。ここモンゴル高原では有史以前より、様々な民族集団によって遊牧が営まれてきました。 乾燥した環境下で自然を効率よく利用し、人間が生き抜く術として生まれた遊牧は「移動性」と「人工的に手を加えない」点を最大の特徴とします。こうした精神を受け継いで動物を多角的に利用し、移動をしながら自然や社会の変化に柔軟に対応してきたのがモンゴル遊牧民です。

オルホン川上流域には、肥沃な牧草地を求めた諸民族の興亡の歴史を物語る史跡が点在し、一帯の景観はユネスコ世界文化遺産に登録されています。そこは今も、遊牧民を魅了し続けています。

国の人口の半数近くが集中する首都ウランバートルは、今も昔も「国際都市」としての一面をもちます。チベット仏教の布教とともに生まれ、その後社会主義時代を経てさらに巨大化しました。

第89回民族学研修の旅では、このふたつの土地を中心に訪ね、過去と現在、草原と都市の暮らしから、モンゴル遊牧民の営みとその精神性をさぐります。 郊外のツーリストキャンプでは連日ゲルに宿泊し、”赤い食べ物”(肉料理)、”白い食べ物”(乳製品)とよばれるモンゴル料理を楽しみます。移動途中で遊牧民のゲルを見つけたら訪問する予定です。緑の美しいこの季節、草原を彩る植物を観察する時間もご用意しました。ゲルの組み立て体験や、羊肉を調理する現場の見学も予定しています。

是非ご参加ください。

第88回 民族学研修の旅 映像がつなぐ人びとを訪ねて ─ 多民族国家ネパールの生活文化にふれる旅

第88回 民族学研修の旅 映像がつなぐ人びとを訪ねて ─ 多民族国家ネパールの生活文化にふれる旅

2017/01/08~01/15

■講師:南 真木人(国立民族学博物館准教授)

交流重視の8日間!国立民族学博物館(みんぱく)が撮りためた映像番組の取材先を訪問します!

北海道の1.8倍ほどの面積の国土に、標高差のある自然と、多様な価値観をもつ人びとが暮らしを営むネパール。バザールや楽師カーストの集落等、みんぱくが撮りためた映像番組んも取材先とともに、在住日本人の案内で医療や生業の現場を訪問する交流重視の8日間。縁ある人びとを訪ねて山地から平地、都市から地方へと移動し、自然と人びとの営みがともに多様なネパールの「いま」を体験します。

●本旅行の関連イベントを実施します。
旅行の同行講師である南真木人先生を講師に迎え、ネパールを身近に考える講演会、体験セミナーを実施します。

【大阪】第458回友の会講演会
2016年9月3日(土)「ネパール、『市民社会』を展望する」
【東京】第73回体験セミナー
2016年9月30日(金)「目と舌で知るネパール―映像鑑賞と国民食『ダール・バート』を手で食べる」
※会場、開催時間等詳細は、「友の会講演会」「体験セミナー」頁にてご確認ください。

第87回 民族学研修の旅 フィンランドとエストニアの原風景に出会う ─ 森の恵みと唄を愛する人びとを訪ねて

第87回 民族学研修の旅 フィンランドとエストニアの原風景に出会う ─ 森の恵みと唄を愛する人びとを訪ねて

2016年8月1日(月)~8月9日(火)

フィンランド東部の北カレリア地方、エストニア南東部のセトゥ地方―ともにロシアに隣接するこの地域では、民俗文化や宗教面でロシアの影響がみられるとともに、周縁の地であるがゆえに両国では失われた独特の文化が息づいています。

本旅行では、ヘルシンキやタリンといった主要都市とともに、このふたつの地域をめぐり、両国の原風景をさぐります。セトゥ地方では「セトゥ王国祭」に参加します。伝統歌唱「セトゥ・レーロ」はユネスコの無形文化遺産に登録されています。あわせて豊かな森林資源とともに育まれてきた「木の文化」にも注目します。伝統的な木造建築を見学するほか、自然散策の時間もしっかりご用意しました。

●本旅行の関連講演会を実施します。
旅行の同行講師である庄司博史先生を講師に迎え、近年、過疎化と多数派への同化の波のなかで、地域にとどまり、伝統文化を守ろうとする両地域の人びとの姿を追います。

・東京:2016年4月23日(土)/モンベル渋谷店
・大阪:2016年5月7日(土)/国立民族学博物館
※詳しくは、第454回友の会講演会、第115回東京講演会の案内をご確認ください。

第86回 民族学研修の旅 ※本旅行は定員に達しました。引き続きキャンセル待ちで受け付けております。 チョコレートのふるさとを訪ねて ─ カカオと人の4000年をメキシコにさぐる

第86回 民族学研修の旅
※本旅行は定員に達しました。引き続きキャンセル待ちで受け付けております。

チョコレートのふるさとを訪ねて ─ カカオと人の4000年をメキシコにさぐる

2016年2月13日(土)~22日(月)【10日間】

カカオを食用する文化の発祥地はメソアメリカです。スペイン人が進出する以前、カカオは、すり潰したカカオ豆とともにトウモロコシの粉や唐辛子、アチョテとよばれる食紅等を加え泡立てる、苦い「飲み物」として嗜まれていました。高価で、口にできたのは王や貴族のみ。実は薬効的価値をもち、儀礼や儀式にも登場しました。16世紀以降、カカオを食用する文化はヨーロッパに渡りましたが、メキシコでは今も、独自に味や姿を変えて、カカオが人びとに親しまれています。

本旅行では4つの文明の遺跡を見学し、カカオが珍重された16世紀以前のメキシコ社会を知ると同時に、カカオ農園やカカオに関する博物館、カカオ料理が並ぶ市場を訪問し、現在のメキシコの人びととカカオの関係にも着目します。和食と同じく、無形文化遺産にも登録されているメキシコ料理のひとつ、カカオをもちいたモレ料理も楽しみます。

●2015年10月10日(土)にJICA地球ひろば(セミナールーム600)で、関連講演会を実施します。 旅行の動行講師である八杉佳穂先生を講師に迎え、16世紀以前のメソアメリカにおけるカカオ利用についてお話をうかがいます。くわしくは東京講演会のご案内をご覧ください。

★本旅行は好評につき、たくさんのお申込をいただいております。
残席については、事務局までお問い合わせください。

第85回 民族学研修の旅 手仕事への回帰 ─ カンボジア、東北タイの機織りの現場をめぐる

第85回 民族学研修の旅 手仕事への回帰 ─ カンボジア、東北タイの機織りの現場をめぐる

2015/02/01~02/09

衣類をはじめ、人間生活に欠くことのできない「織り」。その技術は有史以前より広範な地域で受け継がれてきました。作業を効率よくするために多様な織機が生まれ、大量生産をも可能にする一方で、それ以前より続く手仕事の織りの作業には衰退著しいものがありました。しかし、一部の地域では、そうした手仕事を今でも目にすることができます。

第85回民族学研修の旅では、カンボジア、東北タイの村々をたずね、今も暮らしのなかで営まれている、手仕事の現場をめぐります。 各地の自然・生活環境に即して受け継がれてきた織りの技術、素材、その道具には、人びとの創意工夫の知恵を垣間見ることができます。手仕事の重要性や、人が自然と共生しながら生きてきた術を「織り」を通して考えてみたいと思います。

【前半】
カンボジアの伝統的な絹絣の復興につとめるIKTT(クメール伝統織物研究所)、そのIKTTがすすめる「伝統の森・再生計画」の拠点である「伝統の森」を訪問します。生糸づくりや染織のみならず、カイコを育てる桑や染料の素材となる植物の栽培、織機の製作まで絹絣の製作に必要な一連の行程をすべて、工房内でおこなっています。工房の運営は、内線を契機として途切れかけた「技術の継承」「就労支援」の役割も担っています。文化復興の在り方、カンボジアの歴史や社会背景にも目を向けます。

【後半】
東北タイの村々をめぐり、暮らしのなかで営まれている機織りの現場をめぐります。 藍染めや絣織り、ゴザ織りなど、私たち日本人とも共通する織りの仕事を目にすることができます。 自給自足的な営みがいまなお息づくこの地においても、伝統的な織物は急速に姿を消しつつあります。 ほか、アンコール遺跡群やトンレサップ湖の周遊、各地の博物館や市場も訪問します。 現地の名物料理や、伝統芸能なども楽しみます。

※第69回体験セミナーの関連企画です。
手仕事による機織りの現場を訪ねる旅(海外編)です。


第85回 手仕事への回帰-カンボジア、東北タイの機織りの現場をめぐる 実施報告

なお暮らしの中で一部として受け継がれている自給自足的な機織りの現場を求めて、カンボジアとタイ東北部へと足を運びました。


IKTT(クメール伝統織物研究所)では、織りにまつわる様々な仕事を見せていただき、また自給自足的な生活を体験させていただくとともに、ハンカチの染色もおこないました。
みなさん、個性的な仕上がり!


自宅の一室(土間のようなところ)で絣織りをおこなう女性。


訪問先の村ではいずこでも、規模大小を問わず、養蚕風景がみられました。