第43回体験セミナー

第43回体験セミナー 世界の発酵文化:フナズシ ─ ─魚とコメの出会いが生んだスローフード

世界にはさまざまな発酵食品があり、それぞれユニークな食文化を形成しています。『季刊民族学』104号(04年4月発行)の特集でとりあげ、多くの会員の方から反響がよせられた、日本の発酵文化「フナズシ」について考えます。

『季刊民族学』でご執筆いただいた堀越昌子先生を講師に迎え、発酵食「ナレズシ」の保存技術や文化、そして琵琶湖周辺の食文化についてお話しいただくとともに、老舗フナズシ店で製造工程の一部を見学し、まさに食べごろの「フナズシ」を食していただきます。

第27回 特別展「アラビアンナイト大博覧会

演題
特別展「アラビアンナイト大博覧会

2004/10/02(土)

解説者
西尾 哲夫 (特別展実行委員長 研究戦略センター助教授)

内容
特別展をみながら、多くの人がもつ中東のイメージと、現実との違いについて考えてみましょう。 同日の講演会『アラビアンナイトへの誘い(1)タカラジェンヌの千一夜─日本におけるアラビアンナイト受容の一断面』と続けてご参加ください。

110号 2004年 秋


カンダハルの町でたばこを売るハザラ人
安井浩美

特集 アフガニスタンの現在

写真・安井 浩美

いま地域紛争が頻発している。紛争の背景には、それぞれ地域固有の問題がひそんでいる。紛争への理解は、その地の歴史、風土、そして人びとの暮らしぶりを知り、継続的に関心をもちつづけることからはじまる。世界の目が中東地域やあらたな紛争にそそがれている現在、あらためてアフガニスタンをみつめなおす

アフガニスタンの位置 文・松原 正毅
ユーラシア中央部の内陸国アフガニスタン。建国以来、民族、宗教、政治的対立からさまざまな錯綜した事象が生みだされる地域であった。そこはまた、つねに巨大な権力が膨張する接点にも位置していた。

多様な民族と文化の十字路 文・遠藤 義雄

破壊された仏教遺跡バーミヤン 文/写真・ 山内 和也
2001年春、タリバン政権によるバーミヤン遺跡破壊の映像は世界につよい衝撃を与えた。アフガニスタンのみならず、人類にとっての文化遺産が、永遠に失われてしまったのである。

アフガン戦後3年の素顔 文/写真・ティムール・ダダバエフ
タリバン崩壊後、アフガン社会はどのように変化してきたのか。人びとは自由を取り戻すことができたのだろうか。

アフガンと世界をつなぐ架け橋 文/写真・ 桑名 恵 みずからのくらしを語る目は、プライドと前向きな輝きを放っていた。そこには、ほかの国の国内避難民キャンプでは感じられなかった、女性の凛としたつよさがあった。

パン・イン・ジャパン
日本におけるスティールパンの受容と普及

冨田 晃

スティールパン(別名スチールドラム)。日本では、このカリブ海生まれのドラム缶製打楽器が、コンサートホールで鳴ることはあまりなく、かといって発祥の地のようにカーニバル文化としてでもなく、「南の楽園」というイメージや「国際親善」「教育」「市民活動」」などの枠組みをとおして紹介・受容されている。そのときわれわれ日本人は、なにを消費し、なにを創造/想像しているのだろうか。

モンキーと吹き矢猟師
アマゾン、ワオラニリザーブ

池谷 和信

エクアドルアマゾンに暮らす先住民、ワオラニ。吹き矢猟を営む彼らの生活は、動物とペットを二分して考えるわたしたちには想像をこえるものであった。

南半球ワイン紀行 最終回
アンデス山麓のワイン王国

森枝 卓士

アンデス山脈と太平洋。自然の要塞に囲まれて、丈夫に育つブドウの苗木。100年の歳月を経ても、ゆたかな実りをみせている。ワイン王国チリは、良質で安定した生産力を誇り、世界の供給地として注目を集める

シンハラとタミル

写真・廣津 秋義

19年にもおよび、アジアでもっとも長い内戦といわれたスリランカ政府とタミル人武装勢力とのあいだの戦い。2002年9月からはじまった和平交渉は、その後、一進一退を繰り返している。そんななか、本年4月に総選挙がおこなわれ、対タミル強硬派の大統領派が勝利した。和平の行方はどうなるのか。シンハラとタミル、そもそもこのふたつの民族は、どのような歴史を歩んできたのか

第315回 われわれは文化を食べている ―雑食の雑学より

演題
われわれは文化を食べている ―雑食の雑学より

内容
価値の体系である「文化」の、食の側面が「食文化」である。われわれは、所属している民族や地域の食になじんでいて、他の民族や地域の食をゲテモノとよんだりするが、そのあたりのことをスライドをみながら考えてみる。

※講演会終了後、講師との懇談会(約1時間)をおこないます。当日、講演会受付でお申し込みください。

講師
周 達生(国立民族学博物館名誉教授)

日時
2004年9月4日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第42回体験セミナー 香りのシルクロード ─ ─アラビアンナイトと和の香り

第42回体験セミナー 香りのシルクロード ─ ─アラビアンナイトと和の香り

2004年9月25日(土)

「この世で価値があるものは、女性、よい香り、そして祈りの三つ」と、預言者ムハンマドは語ったといわれています。イスラム世界には豊かな香りの伝統があり、『アラビアンナイト』にも香りにまつわる場面が数多く登場します。一方、日本でも6世紀末に香木が漂着して以来、その香りを独自の感性で解釈し、日本の香りをつくってきました。講師からイスラム世界の香りについてのお話をうかがったのち、寛政年間から京都で薬種業を営まれる山田松香木店(やまだまつこうぼくてん)にて香道を体験し、日本の香りを「聞いて」みます。


第42回 香りのシルクロード-─アラビアンナイトと和の香り 実施報告

イスラームと和の香りに酔いしれる

秋晴れの9月25日、京都御所に程近い山田松香木店にて第42回体験セミナーを開催しました。会場では西尾哲夫先生の講演で紹介されたイスラーム世界の代表的な香原料「麝香(じゃこう)」「龍涎香(りゅうぜんこう)」「乳香(にゅうこう)」「沈香(じんこう)」や、店に代々伝わる和の香りをかもす貴重な香木の数々を間近にみることができました。粛々と進められた香道体験とともに、イスラームと和のふたつの香り世界に酔いしれた半日となりました。