第92回 館長講演 文化人類学に生きる 館長就任1周年を迎えて

演題
館長講演
文化人類学に生きる 館長就任1周年を迎えて

内容
私は文化人類学を新しい学問として学んだ世代です。文化人類学が社会にどのような貢献をしてきたのか、そしてこれから何ができるのかについて、民博設立への流れもふまえて考えてみましょう。

※講演会終了後には館長を囲んでの懇談会(1時間程)を開催します。ご参加ください。

講師
須藤 健一(国立民族学博物館館長)

日時
2010年4月10日(土) 14時~15時30分

場所
JICA地球ひろばセミナールーム301

定員
60名(申込先着順)

備考
■友の会会員:無料

第381回 アジアにとってのアジア

演題
アジアにとってのアジア

内容
アジアとは、何を意味しているのでしょうか。民博のアジアに関する展示も、いくつかの地域に分かれており、文化的に一括りにできるものではありません。アジアにおけるフィールドワークの経験から、アジアに住む人々がアジアをどのように捉えているのか、そして私たち日本人にとってのアジアとは何か、アジアが実態のあるものなのか。こういったことを一緒に考えていきたいと思います。

※講演会終了後、講師との懇談会をおこないます。(1時間程)講演の内容で気になったことや疑問など気軽にご質問いただける時間です。ぜひご参加ください。

講師
田村 克己(国立民族学博物館教授)

日時
2010年3月6日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料

第59回体験セミナー 京都町家にくらす ─

第59回体験セミナー 京都町家にくらす ─

2010年3月13日(土)10:00~14:30

「おばんざい」をはじめ、京都の町中のくらしぶりを紹介した大村しげ。生活の記録者という自覚のもとに書かれた数多くのエッセイは、没後10年を経た今でも読み継がれ、「後の研究のために」のこされた生活道具一式は民博に寄贈されています。

京都の町中のくらしに受け継がれてきた「しまつ」をつける生き方を、京町家の杉本家住宅を訪ね、体験します。杉本家住宅は江戸から明治にかけての家屋や生活道具がよく保存されていることから京都市の有形文化財にも指定されています。

じっさいに文化財に暮らしながら町家文化を伝えるという活動についてもお聞きします。

<プログラム>
講演と杉本家邸内の説明「町家のくらし ─ 商人の精神息づく暮らし ─」
杉本歌子:(財)奈良屋記念杉本家保存会 学芸員・古文書調査主任

昼食 おばんざい


料理・解説 杉本節子:(財)奈良屋記念杉本家保存会事務局長、料理研究家

講演「記録者としての大村しげ ─ 「しまつ」の思想が語るもの」
横川公子:武庫川女子大学教授


第59回 京都町家にくらす- 実施報告

京町家、杉本家住宅にて開催したセミナーは、奈良屋記念杉本家保存会の学芸員杉本歌子さんによる邸内の解説から始まりました。部屋のしつらいひとつをとっても引き算の考えでシンプルにつくられており、季節や慶弔などを問わず臨機応変に対応できる工夫が凝らされているというお話しが印象的でした。

昼食におばんざいをいただいたあと、武庫川女子大学の横川公子先生に大村しげさんの生き方や思想を紹介していただきました。大村さんの「しまつ」の考え方や杉本さんの日々の暮らしから、京都という都市で培われた生活の伝統が、現代の私たちの生活にも何かヒントを与えてくれるという魅力をあらためて感じました。

参加者からの感想を紹介します。

佐野滋さん
伝統的な京の町家は、一言で言えば日々のくらしの総合芸術である、京都の町衆はそれを創出する“文化力”を何世紀にもわたってもちつづけて来たことを実感しました。

常田泰典さん
京都というと古いものを残すというように考えられがちですが、伝統を伝えるだけでなくその時々に応じて柔軟に対応し、新しいものも取り入れる進取の精神があるとよく言われます。杉本家の方々の活動にもその精神が生きていることを感じました。


大きな襖をスクリーンにして講義を聴きました


昼食にいただいたおばんざいの一部

132号 2010年 春

機関誌
アレクサンドロスの妃ロクサネの故郷、バクシュヴァル。ウズベキスタン
大村 次郷

特集 アレクサンドロスの道

写真提供・大村 次郷

アレクサンドロスの道を辿ろうとする者は、必ずや歴史と虚構のはざまをさ迷う。 悠久の昔にユーラシアを駆け抜けた若きマケドニア王の幻影を求め、大村次郷氏が大陸各地で捉えた風景に思いをはせるが、その実像を求めれば求めるほど、積もり重なる遺構・文献・伝承の層の厚さに眩惑する。アレクサンドロス像の輪郭は、すでにその生前から今日にいたるまで、常に変容し続けてきたのである。

アレクサンドロスの死後、彼の版図を越えたさらに広範な地域の人びとが、大王について語り継いできたものは何か?我々が今日アレクサンドロスに見出すものは何か?この探求の道を旅するとき、ユーラシア諸民族の歴史そのものが繰りひろがる。

I章 アレクサンドロス帝国の実像 森谷 公俊

アレクサンドリアの現在 赤堀 雅幸

II章 変容するアレクサンドロス像

ギリシアからの逸脱 『アレクサンドロス物語』
 橋本 隆夫

イスカンダルとズ・ル・カルナイン

アラビアにおけるアレクサンドロス 蔀 勇造

破壊者から英雄へ

イランにおけるアレクサンドロス伝承 山中 由里子

呪われたもの

ゾロアスター教徒のアレクサンドロス観 山本 由美子

東からの風 中央アジアのアレクサンドロス余話
 加藤 九祚

中国に伝わったアレクサンドロス伝承
 山中 由里子

諏訪の御柱祭

文・織田 竜也
写真・高原 一光

大勢の人間が取り巻く大木が急坂を滑り落ちる。今年は諏訪の御柱の年だ。現地では「七年に一度」と称されるがこれは数えの表現で、干支でいえば寅と申、「六年に一度」おこなわれる祭りである。正式には「式年造営御柱大祭」というが、「オンバシラ」といえば全国的に通用する。メディアで報道される大木が急坂を滑り落ちるシーンは下社「木落し」のものだが、御柱祭はそれだけにとどまらない。そもそも諏訪大社がどういう神社なのかですら、意外と知られていないものだ

再見細見世界情勢15
東ティモール
グローバル化時代の国民国家建設
松野 明久

ラテンアメリカのカーニバル
多様な祝祭空間を漂う

白根 全

ラテンアメリカでおこなわれるカーニバルは、我々がイメージするより多種多様である。おなじみのリオのカーニバルのように、ヨーロッパからの移住者が持ち込んだカトリックの謝肉祭が原型のものもあれば、先住民により長く受け継がれてきた名も知れないものもある。さらにラテンアメリカからの移住者が多いアメリカ合衆国では、少し「アメリカナイズ」されたカーニバルが彼らによりおこなわれている。ラテンアメリカ諸国を中心に、多様なカーニバルを俯瞰し、その魅力を紹介する。

国立民族学博物館ミュージアム・ショップ通信

第380回 ガンディーの大英帝国

演題
ガンディーの大英帝国

内容
長くイギリスの植民地であったインドの人びとは、イギリスをどのようにとらえているのでしょうか。必ずしも支配された者としての被害者意識だけではないようです。言語や生活文化、宗教など大きな影響をうけている部分もあります。インド独立の父とも称されるガンディーに注目して考えます。

※講演会終了後、講師との懇談会をおこないます。(1時間程)講演の内容で気になったことや疑問など気軽にご質問いただける時間です。ぜひご参加ください。

講師
杉本 良男(国立民族学博物館教授)

日時
2010年2月6日(土) 14時~15時30分

場所
国立民族学博物館2階 第5セミナー室

定員
96名(先着順)

備考
■友の会会員:無料