2010年企画展「チベット ポン教の神がみ」

人間文化研究機構連携展示
「チベット ポン教の神がみ」
会期:2010年7月2日(金)~9月10日(金)
会場:国文学研究資料館
開館時間:午前10時~午後4時30分
休館日:日曜日
主催:人間文化研究機構 国文学研究資料館 国立民族学博物館

チラシ ポン(Bon)教は中国のチベット自治区全域、四川省、甘粛省、青海省、雲南省からヒマラヤ南麓にまでひろく分布している宗教で、仏教がチベットにもたらされ、政権と結びつく前まではその地域の主流を占めていました。土着的要素と密接な関連を保ちながら、独自の高度な教理体系を築きあげ、少数派ながら今も宗教集団として生き続けています。チベット仏教の哲学・儀礼の随所にポン教からの影響が認められます。また、古いポン教徒はシェンシュン語という未だその系統も文法も明らかにされていない言語を用いていました。この言語はチベット文語の成立に重大な影響を及ぼしたはずであると推測されます。このように、ポン教はさまざまな面で、チベットの文化基盤を代表する宗教であり、その地域を理解する上で不可欠の要素と言えるでしょう。

本展示では、ポン教が築きあげてきた宗教的宇宙の構造の一部を図像資料によって紹介するとともに、ポン教の歴史や現代における分布、儀礼なども紹介します。これによってチベットの基層文化に関する理解を少しでも深めていただければ幸いです。


関連催し
● 第94回「国立民族学博物館友の会」東京講演会
友の会東京講演会は会員のみなさんへむけて開催している講演会です。
日時: 2010年7月19日(月・祝)14:00~15:15
演題: チベット ポン教とは何か
講師: 長野泰彦(国立民族学博物館教授)
内容: ポン教は、仏教伝来以前からチベット文化域に広く分布している宗教で、チベット精神文化の基層を形成しています。ポン教の歴史や仏教との関連、現代におけるポン教の実態とポン教研究の意義についてお話しします。
会場: 国文学研究資料館 大会議室
定員: 200名(要申込)
参加費: 「国立民族学博物館友の会」会員 無料 一般 500円

2009年企画展「チベット ポン教の神がみ」

国立民族学博物館
企画展「チベット ポン教の神がみ」

会期:2009年4月23日(木)~7月21日(火)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週水曜日[ただし4月29日(水・祝)・5月6日(水・祝)は開館、4月30日(木)・5月7日(木)が休館

主催:国立民族学博物館 財団法人千里文化財団
助成:独立行政法人日本万国博覧会記念機構

ポン(Bon)教は中国のチベット自治区全域、四川省、甘粛省、青海省、雲南省からヒマラヤ南麓にまでひろく分布している宗教で、仏教がチベットにもたらされ、政権と結びつく前まではその地域の主流を占めていました。土着的要素と密接な関連を保ちながら、独自の高度な教理体系を築きあげ、少数派ながら今も宗教集団として生き続けています。チベット仏教の哲学・儀礼の随所にポン教からの影響が認められます。また、古いポン教徒はシェンシュン語という未だその系統も文法も明らかにされていない言語を用いていました。この言語はチベット文語の成立に重大な影響を及ぼしたはずであると推測されます。このように、ポン教はさまざまな面で、チベットの文化基盤を代表する宗教であり、その地域を理解する上で不可欠の要素と言えるでしょう。

本展示では、ポン教が築きあげてきた宗教的宇宙の構造の一部を図像資料によって紹介するとともに、ポン教の歴史や現代における分布、儀礼なども紹介します。これによってチベットの基層文化に関する理解を少しでも深めていただければ幸いです。


関連催し(終了しました)
研究公演「ポン教の本質を探る」
ツルティム・テンジン(ポン教学僧) × 夢枕 獏(作家) 司会解説:長野 泰彦(民博教授)

ポン教はチベットの修験道ともいわれます。
チベット宗教文化の基盤をなすポン教の本質について、夢枕 獏が迫る
日時: 2009年4月26日(日) 13:00~14:30(開場12:30~)
会場: 国立民族学博物館 講堂(大阪)
定員: 450名 要申込・先着順 参加費無料
主催: 国立民族学博物館 財団法人千里文化財団


関連催し(終了しました)
研究フォーラム in 東京「チベットの基層文化を探る」
Tracing the Cultural Substratum of Tibet

プログラム

プロローグ「チベット宗教におけるポン教の位置」長野 泰彦
基調講演 「ポン教教義の特色」ツルティム・テンジン
パネルトーク「ポン教とは何か?」
パネリスト
立川 武蔵(愛知学院大学教授 民博名誉教授)
「チベット宗教の普遍性」

森  雅秀(金沢大学教授)
「図像学の立場から」

ツルティム・テンジン
「行の立場から」

津曲 真一
「ゾクチェン哲学と禅」

総合司会
長野 泰彦

日時: 2009年4月29日(水・祝)18:30~20:30(開場17:30~)
会場学術総合センター 一橋記念講堂[東京都千代田区一ツ橋2-1-2]
交通案内
1.東京メトロ半蔵門線・都営三田線・都営新宿線「神保町駅」徒歩5分
2.東京メトロ東西線「竹橋駅」徒歩4分
定員: 500名 要申込・先着順 参加費無料
主催: 国立民族学博物館 財団法人千里文化財団


関連催し
友の会講演会
友の会講演会は会員のみなさんへむけて毎月開催している講演会です。

● 第371回友の会講演会
日時: 2009年5月2日(土)14:00~15:00
講演会終了後、みんぱく見学会を開催します。
演題: 企画展「チベット ポン教の神がみ」関連
チベットのヤングー儀礼 ─ 幸運をよぶいのり
講師: 長野泰彦(民族文化研究部教授)
内容: チベット人はツキや運をよびよせるような霊的存在をヤンとよび、結婚式や人の死、家畜の売却、収穫時など生活の節目で、ヤンを取り込んだり、活力を再生させたりします。チベット文化圏にみられるこうした民間信仰の儀礼についてお話しします。

● 第372回友の会講演会
日時:
2009年6月6日(土)14:00~15:30
講演会終了後、終了後、講師との懇談会(1時間程度)をおこないます。
演題: 企画展「チベット ポン教の神がみ」関連 ポン教とチベット仏教
講師: 立川武蔵(愛知学院大学教授・民博名誉教授)
内容: ポン教がどのような宗教かを説明するのは容易ではありません。仏教と驚くほどの類似性を示しながら、独自の特質ももちつづけています。ポン教の歴史とチベット仏教との関係など、ポン教がもつさまざまな要素を解説します。


ツルティム・テンジン師 略歴

ティテン・ノルブツェ寺学堂長 国立民族学博物館客員准教授。

ツルティム・テンジン師は1967年12月生まれのポン教学僧で、現在ネパール、カトマンズ盆地の北西部にあるティテン・ノルブツェ寺瞑想学堂(ドゥプタ)の堂長(ケンボ)を務めている。19歳で出家し、論理学や中観を学んだ後、ゾクチェン教学研究に転じ、1994年ティテン・ノルブツェ寺でゲシェ(博士)位を取得。2003年オックスフォード大学で儀礼用具トルマに関する共同研究に参画。

ティテン・ノルブツェ寺は、ポン教の高僧で、ロンドン大学でスネルグローヴ教授と研究を行ってきたテンジン・ナムタク師が1987年に設立した新しい学問寺で、現在約150名の若い僧侶達がポン教の教育階梯に則り、修行を続けている。

夢枕 獏(ゆめまくら ばく)氏 略歴

1951年神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒、77年にプロ作家活動を開始。「キマイラ」「サイコ・ダイバー」「闇狩り師」「餓狼伝」「陰陽師」などのシリーズで読者の支持を集める。

89年『上弦の月を喰べる獅子』第10回日本SF大賞受賞。98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞受賞。「陰陽師」など漫画化作品や映画化された作品が多数あり、近年の著作に『沙門空海 唐の国にて鬼と宴す』や『シナン』、『東天の獅子』などがある。

趣味は「釣り」の他、カヌーや登山などアウトドア全般と写真撮影、陶芸、書。狂言、歌舞伎、落語、講談など古典芸能鑑賞や格闘技観戦など。
写真(C)夢枕獏事務所


助成:助成

*本事業は日本万国博覧会記念基金の助成をえて実施いたします。