『季刊民族学』183号
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季刊民族学183号
第47巻1号 通巻183号(2023(令和5)年1月31日発行)
ISBN978-4-915606-84-7 C0472 \2500E
特集 民藝 —— 人とモノとが出会うとき
今、なぜ「民藝」に熱い視線が向けられているのか。産業化、都市化の進展という大きな時代の変革期にあった約100年前に、柳宗悦、河井寬次郎、濱田庄司らによって新しい美の概念「民藝」は生み出された。「民藝」とは「民衆的工藝」の略であり、それまで見過ごされてきた日常の生活道具に美を見出し、作家たちはそれを糧とし自らの新しい表現を拓いていった。本特集では民藝のまなざしが生まれた背景やその影響、民俗学や文化人類学、民族学博物館との関係などを明らかにし、現代に「民藝」が求められる理由を考えたい。
000 表紙「「変わらない」なかの新しさ」写真:濱⽥琢司(関西学院大学教授・同大学博物館長)
001 目次
002 表紙のことば 文:濱⽥琢司
003 特集「民藝――人とモノとが出会うとき」
004 特別対談「『民』へのまなざし――民藝と民俗学と民族学」吉田憲司(国立民族学博物館長)/濱田琢司
018「民藝にとっての地方と地方文化としての民藝」濱⽥琢司
028「民藝の「発見」と朝鮮民族美術館」鄭銀珍(大阪市立東洋陶磁美術館主任学芸員)
034「民具と民藝の100年」加藤幸治(武蔵野美術大学教授)
042「日本民藝美術館と浜松の民藝運動」増井敦⼦(浜松市美術館学芸員)
046「民藝運動と女性たち」⼩野絢⼦(大阪日本民芸館学芸員)
052「バーナード・リーチと民藝運動――生活造形による心の環境保護」鈴⽊禎宏(お茶の水女子大学教授)
056「芹沢銈介の収集――集めてつくったもうひとつの世界」⽩⿃誠⼀郎(静岡市立芹沢銈介美術館学芸員)
062「いまなぜ民藝か」鞍⽥崇(明治大学准教授)
070「砂漠でわらを編む――オーストラリア先住民の手工芸品」平野智佳子(国立民族学博物館助教)
078「日本と韓国における産後ケアの現在地」松岡悦子(国立民族学博物館助教)、諸昭喜(国立民族学博物館助教)
086 連載 フィールドワーカーの布語り、モノがたり 第1回
「バリ島の紋織と絣――消費される手仕事の存在価値」中谷文美(岡山大学文明動態学研究所教授)
094 シリーズ 焼畑を再考する③「佐々木高明を語る――研究とその人物像」池谷和信(国立民族学博物館教授)
/宇野文男(元福井大学教授)/クライナー・ヨーゼフ(ボン大学名誉教授)
102 シリーズ 焼畑を再考する 特別インタビュー
「移りゆく森の姿 五木村村長・木下丈二さん」(聞き手)池谷和信