127号 2009年 新春

機関誌
那智を出て、大雲取越の難路を行く修験者
文/写真・中 淳志

大峯山の修験道
自然とともに生きる信仰の実践

文・鈴木 正崇
写真・中 淳志

国土の七五パーセントを山や丘がしめる日本。 古来山岳は、厳しさとともに親しみを与える存在であり、それらはいつしか、生業の差異をこえた多くの人びとにとって、崇拝の対象となってきた。神道の成立、仏教の流入、そしてそれらの融合と、時代とともに変遷する山岳信仰。

大峯山の峰入りを中心に、日本の基層文化について考える。

トルコのアレヴィー
神への愛を実践する人びと

米山 知子

スポットライトに照らされた舞台。その上では、派手な衣装を着た男女が、トルコ特有の撥弦楽器バーラマの旋律に合わせ、神妙な面持ちで旋回している。 その姿はまるで何者かに取り憑かれたかのようで、観るものを異なる世界へと誘う。 トルコには、アレヴィーと呼ばれる人々がいる。 彼らは、かつて儀礼の中で行われていたセマーと呼ばれる宗教「舞踊」を、自分たちの存在をアピールするために、現在では様々な場で実践している。

長い歴史の間、苦難を乗り越えてきた彼らの、セマーを介して繰り広げられる大都市イスタンブルでの生活をひも解いていく。

シリーズ 万国喫茶往来
第3回 チャーイ 絆のシンボル(イラン)
文・清水 直美
写真・大村 次郷

朝メシ前の人類学
フィールドでうまれる対話 第6回
どうして神を信じないの?って聞かれて……
文・松田 凡
写真・水井 久貴
絵・中川 洋典

再見細見世界情勢12
北アイルランド紛争
和平プロセスが目指すもの
文・森 ありさ

海人万華鏡第14回
海と陸の交差線
living on the crossroads of ocean and land
文・あん・まくどなるど
写真・礒貝 浩

朝食に暮らしあり14
アンデス高地の朝食
八木 百合子

清明節
中国の墓参り

川口 幸大

冬至から105日目、二十四節季のひとつ清明節に、中国の人びとは墓参りにむかう。 おおよそ新暦の4月5日。春の陽気のなか、家族と近しい親族が一同に集まり、おそなえものの食品をかかえて墓のある丘に登るようすは、さながらピクニックといったふうでもある。 変貌いちじるしい中国社会にあって、人びとはどんなふうに墓に参り、祖先を祭祀しているのだろうか。

広州市の郊外に位置するある村の墓参りに注目した。

書架はいざなう
武道の国際化に思う
オリンピックと奉納演武の違いは?
広瀬 浩二郎

本棚 特別編
たゆまぬ梅棹山脈 『梅棹忠夫に挑む』の刊行にちなんで
飯田 卓

国立民族学博物館ミュージアム・ショップ通信

【地域】
東アジア(日本、中国)
西アジア(イラン、トルコ)
東アフリカ(エチオピア)
西ヨーロッパ(アイルランド)
南アメリカ(ペルー)