117号 2006年 夏

機関誌
タウデニの塩鉱
文/写真・大塚雅貴

タウデニ
サハラに舞う塩の宝庫
塩の道を行く

文/写真・大塚 雅貴

360度、見渡すかぎり続く砂の大地。すべてのものから水を奪う熱い太陽、そして蜃気楼によって揺れる地平線。日本の国土のおよそ24倍、9065000平方キロメートルにおよぶ世界最大の砂漠、サハラ砂漠でいまも活躍するラクダ・キャラバンがいる。それは、塩をラクダに載せ、タウデニ―トンプクトウ間の往復1500キロメートルの道のりを約40日かけて歩き続ける男たちの苛酷な仕事だった。わたしは2004年10月、このキャラバンを取材するため、これまで内戦などの影響で長い間立ち入りが規制されていた、西アフリカ、マリ共和国の中部トンプクトウへ向かった

サハラの塩鉱、その過去と現在
文・南里 章二/写真・大塚 雅貴

サハラにおける塩の採掘と輸送は、数百年前から現在に至るまで変わりなく継続している。苛酷な自然状況下、その時折のさまざまな歴史を背負いながら、この地の人びとは営みを続けてきた。近代化が進むなか、酷暑の大地に生きる人びとの将来像を考える

ワールドサッカー
ふたつのフィールド

サッカー・ワールドカップ、ドイツ大会では、さまざまなドラマが繰り広げられ、人びとを熱狂させた。しかし、サッカーというスポーツの「草の根」は思いのほか深く、本大会に出場できた国はそのごく一部にすぎない。イギリスで制度化されたサッカーが、どのようにして世界じゅうに広がり、地域や民族のそれぞれの事情に応じて受容され、楽しまれてきたのか。サッカーのコートである「フィールド」を、調査地、取材地としての「フィールド」から探ると、いったいどんな事情がみえてくるのか。ふたつのフィールドを知る研究者、取材者が知られざる世界のサッカーの実像を紹介する

 

 

踊る路上の聖人
ストリートから広がるフィリピンの聖像崇拝の生活風景

文/写真・川田 牧人
写真・杉浦 正和

フィリピン、ビサヤ地方の人びとの生活は、カトリック聖像とともにある。フィエスタでは、人びとは聖像とともに祝い、踊る。宗教行事の枠組みを超え、自己表象のよりどころの一つとなりつつあるフィリピンのカトリック祭礼の様相をみる

動的宗教としてのイスラーム
現代エジプトのスーフィー教団

新井 一寛

エジプトにおいて隆盛を誇ったスーフィー教団は近代化の過程で変容し、影響力を失いつつ会った。しかし現在、「正しい」イスラームを求める人びとに応えるかのように「新たな」スーフィー教団が登場し、支持を集めている